プロ初打席で本塁打を放ち、ホームで迎えられるヤクルトの広岡=西畑志朗撮影
■スコアの余白
世代交代を感じさせる一発だった。ヤクルトの高卒ルーキー広岡が鮮烈なプロデビュー弾を放った。
特集:スコアの余白
29日に横浜スタジアムであったDeNA戦。この日、1軍に初めて昇格し、「8番・遊撃」で即スタメン起用された。相対したのは、現役最後の登板となった23歳年上の三浦だった。
三浦が一球投じる度に敵地ファンから歓声が沸く雰囲気にも「あまりそういうのは感じないタイプ。思い切りの良さを見てもらいたい」と広岡。臨んだプロ初打席は二回1死一、三塁。初球をフルスイングで空振りし、2球目のフォークも強振。芯を外しながら、豪快に左翼席まで運んだ。
大阪府出身。奈良・智弁学園高の2年夏に甲子園で本塁打を放ち、昨秋のドラフトで2位指名。183センチと長身で、真中監督も「粗削りだが、長打力に期待する部分が大きい。将来性を感じる」と、大型内野手として有望視する19歳だ。
三浦からの本塁打は、実はプロ生活で2本目。今季2軍のイースタン・リーグで10本塁打をマークし、そのうち1本は、6月4日に三浦のカーブを捉えたソロだった。「ボール半個分を出し入れするコントロールがすごい。変化球が多いイメージがあった」と1軍で再びアーチをかけた。三浦と同様、奈良の高校で白球を追いかけた。「あれだけの投手と、しかも、最後の試合で同じ場にいられるのはうれしく思います」
入団時に84キロほどあった体重は夏場に約4キロやせたという。「食べてはいるんですが、高校時代と違って毎日試合があってエネルギー消費が多くて」と広岡。成長途中だが、今後の活躍を予感させる強心臓ルーキーのプロ初打席弾だった。(甲斐弘史)