福岡県警の元警部補(53)=有罪判決が確定=が捜査情報を漏らした見返りに現金を受け取った汚職事件で、贈賄罪に問われ一審・福岡地裁で無罪となった暴力団関係者とされた2人の差し戻し審が6日、福岡地裁(松藤和博裁判長)で始まった。
2人はいずれも福岡市東区の防水工梶原勇樹(35)と会社員梅崎高洋(36)の両被告。起訴状などによると、2人は、恐喝事件で逮捕される可能性がある、といった捜査情報を聞いた見返りに2012年3月、元警部補に約10万円を渡したとされる。両被告は起訴内容を否認し、改めて無罪を主張した。
福岡地裁は13年11月、2人を無罪(求刑懲役1年)としたが、昨年2月の福岡高裁判決は一審を破棄し、審理を地裁に差し戻した。両被告は上告したが最高裁が棄却していた。
元警部補は一審で収賄罪は無罪となったが、二審で逆転有罪判決を受け、今年4月に懲役2年6カ月執行猶予5年が確定した。