安倍晋三首相は8日の衆院予算委員会で、安全保障関連法に基づき、平時から自衛隊が米軍の艦船などを守る「武器等防護」について、「米軍等の活動への影響や相手方との関係もあり、実施の逐一についてお答えすることは差し控えたい」と述べた。民進党の長妻昭衆院議員の質問に答えた。
首相は、武器等防護の実施を公表しない理由について、「警護を行うのは米軍等が自らを守る能力が不十分な状況にあるから。実施の逐一について公にすることは米軍等の能力を明らかにし、活動に影響を及ぼす恐れがある」と説明。これに対し、長妻氏は「おかしい。我が国は民主主義の国家であり、防衛費用も含めて国民の理解をいただかないといけない」とし、積極的な公表を求めた。
菅義偉官房長官も同日の記者会見で、「基本的には(武器等防護の実施は)公表しない」と述べた。海上自衛隊の護衛艦「いずも」と「さざなみ」の2隻が1~3日、米補給艦を護衛しながら航行したことが報道各社の取材で明らかになっているが、日本政府は公表していない。