「核兵器禁止条約」をめぐる各国の主な発言
国連総会第1委員会で議論されている「核兵器禁止条約」について、米国が14日、強く反対を表明し、各国に同調を呼びかけた。核保有国や「核の傘」の下にある国も追随。来年の交渉開始を求める決議案を提出した非保有国側は、採択に向けて米国などによる切り崩しを警戒する。
「米国は核兵器禁止条約の交渉を立ち上げる決議にノーだ。(採択されても)交渉には参加しない。他国も同じ行動をするように強く求める」。米国のウッド軍縮大使は14日の第1委員会で、各国代表団に呼びかけた。核の傘の下にある同盟国以外にも、公然とプレッシャーをかけた形だ。
国連総会では、常任理事国に拒否権がある安全保障理事会とは異なり、ものごとが多数決で決まる。今回の決議案の提出が、8月に開かれたジュネーブの核軍縮作業部会(OEWG)で多数決で勧告され、共同提案国も36に上ることから米国などの警戒感は強い。決議案が総会で採択されれば、来年から核兵器禁止の法的措置の交渉が始まることになるからだ。
ウッド大使は核不拡散条約(NPT)など、「現実的で全会一致を基本としたアプローチこそが、(核軍縮が)前進するための正しい道だ」と強調。同盟国や核の傘の下にある国々も同調し、英国は「各国代表たちよ、よく考えて欲しい。全会一致が採られているジュネーブ軍縮会議(CD)や、NPTの再検討会議(で議論する我々)に加わることを求める」と禁止条約の推進派を牽制(けんせい)。オーストラリアはOEWGが核保有国が不参加のままで決定されたことを懸念。ドイツと共に「核保有国抜きで禁止条約の議論を進めても核軍縮にはつながらない」と批判した。
核保有国が禁止条約に反対する…