当選確実の一報を受け、支持者らと喜び合う米山隆一氏(左)=16日午後9時18分、新潟市、諫山卓弥撮影
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が最大の争点になった16日投開票の新潟県知事選で、政権与党が敗れた。原発問題に絞って共闘した野党の戦略にあえなく沈んだ。政権が進める再稼働政策で打撃を受けただけでなく、次の衆院選を見据えた選挙戦略にも影響しそうだ。
新潟知事に再稼働慎重派の米山氏 自公系候補らを破る
「原発政策はもちろん、野党が勢いづくという意味では、国政全般に響く」
自民党幹部は16日夜、ショックを隠しきれない様子でこう漏らした。政権を挙げて推薦候補を支援したにもかかわらず、幹部は誰も党本部に姿を見せず、古屋圭司選対委員長が紙で「誠に残念な結果だ」とするコメントを発表しただけ。別の幹部は「影響を最小限に抑えるように手は打たないといけない」と語った。
安倍晋三首相は16日、1週間後に投開票日を迎える衆院東京10区補選の応援で東京・池袋で街頭演説に立ち、小池百合子都知事と並んで連携をアピール。アベノミクス加速を訴え、「この道を力強く前に進んでいく」と力をこめたが40分弱で会場を後にし、自宅へと引き返した。首相の関心は、補選よりも知事選にあった。
アベノミクス加速の前提として…