横にスクロールする広告のイメージ。狭いスマートフォンの画面でも商品をPRしやすい=フェイスブックジャパン提供
ソーシャル・ネットワーキング・サービス大手米フェイスブック(FB)がスマートフォンなど携帯端末への広告配信に力を入れている。月間利用者17・1億人のうち15・7億人が携帯端末でFBを使うようになった。すでに全体の広告売り上げに占める携帯端末向けは、8割を超えている。
朝日新聞のインタビューに応じたフェイスブックジャパンの長谷川晋代表は「日本でも利用者の92%はモバイル(携帯端末)経由だ。モバイルファーストを進めている」と話す。FBは利用者が実名で登録した個人情報をもとに、適した利用者に広告を表示する。個人でも少額から広告を出せる点に定評がある。
携帯端末の画面は小さいが、広告を横にスクロールして表示したり、動画広告を導入したりした。同社は広告制作自体も手伝っており、長谷川氏は「(縦方向に)スクロールされないよう最初の3秒で親指を止めてもらう工夫が重要だ」と言う。
同社が日本で期待するのは中小企業による広告。長谷川氏は「2020年の東京オリンピックに向け、海外発信は増える」と利用増に期待を示す。ネット広告費の携帯シフトは大きな流れだ。広告代理店サイバーZの調べでは、15年のスマートフォン向け広告出稿額は前年比23・6%増の3717億円。20年には7500億円規模になるという。(福田直之)