スペインの最大野党・社会労働党(中道左派)は23日、暫定政権が続く国民党(中道右派)のラホイ首相の正式選出を容認する方針を決めた。スペイン議会は議席が分散して首相が選べない状態が続いていたが、3度目の総選挙は避けるべきだと判断した模様だ。
AFP通信などが伝えた。社会労働党はラホイ氏の続投に反対してきたが、この日の党幹部らの会議では、国会での信任投票で棄権に回り、再任を妨げない方向に転じた。ラホイ氏は、首相に正式選出されても少数与党での厳しい政権運営となる見通しだ。
スペインでは昨年末の総選挙でも、6月のやり直し総選挙でも議席が分散。国民党が第1党の座を保つものの、反緊縮の左派新党ポデモス(私たちはできる、の意)の台頭もあって政権づくりが行き詰まった。10月末までに新首相を選べなければ、年末に3度目の再選挙が想定されている。
左派連合を目指した社会労働党のサンチェス前書記長は、党勢の衰退に加えて連立交渉での他党への妥協などが不評を買い、党トップの座を辞任していた。(パリ=青田秀樹)