埼玉県は27日、2020年東京五輪・パラリンピックのボート・カヌー競技を同県戸田市の調節池「彩湖」で開催した場合、整備費は266億円かかるとの試算を初めて示した。これまで東京都の資料などで示されていた558億円の半分以下で済む。2万席の観客席や艇庫、大会本部など建物をすべて仮設にするなどして費用を圧縮したという。
埼玉県の塩川修副知事は同日、整備費の内訳や図面などを添付した要望書を都の山本隆副知事に提出。選手村からの近さなどの利点も挙げ、改めて彩湖での競技開催を求めた。
同県によると、護岸の掘削費などを合わせた本体工事費は150億円。その他に大会後の公園整備費や警備費用なども含めた。
会場見直しを巡っては、都の調査チームが東京湾臨海部の「海の森水上競技場」を大会後も利用する恒久施設にするか、大会後に取り壊す仮設施設にする2案と、宮城県登米市の「長沼ボート場」を活用する計3案に絞り、小池百合子都知事が近く都としての結論を出す方針だ。(金子智彦)