柔道五輪銀メダリストの小川直也氏が道場長を務める神奈川県茅ケ崎市の小川道場で、退会した男子小学生の両親が「道場で暴力などの不適切な指導があった」と主張していた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。阿部潤裁判長は「暴力があったという裏付けはない」として、両親の控訴を退けた。
この訴訟は、道場が両親に対し、未払いの指導料95万円を求めて起こしていた。一審・横浜地裁判決は道場の訴えを認めて全額の支払いを命じたため、両親が控訴していた。
判決によると、男子小学生は2012年に道場の強化クラスに入門。中学3年まで続ければ月5万円の指導料が免除されるとされたが、男子小学生は翌年11月に退会。両親は「指導料の請求は退会へのペナルティに過ぎず、無効だ」として支払いを拒否していた。
判決は、男子小学生が「道場で暴力があった」などと話したことについて、「提訴された後に述べたもので、経緯や内容が不自然だ」と指摘。退会した他の生徒の保護者などが暴力について述べた陳述書についても、その内容が伝聞だったり、それを否定する証拠があったりすることから、「裏付けがない」とした。