新人社員が過労自殺した電通が厚生労働省から「働きやすい企業」に認定されていることについて、塩崎恭久厚労相は28日の閣議後会見で「認定の取り消しを含めて厳正に対処しなければならない」と述べた。
厚労省は2005年に施行した「次世代育成支援対策推進法」に基づき、労働時間の短縮や子育て支援などに取り組む企業を子育て支援企業と認定し、「くるみん」マークを与えている。企業は広告などに「くるみん」マークを使って働きやすさをPRできる。
厚労省は07、13、15年に電通を「くるみん」認定している。だが、電通は15年に三田労働基準監督署から長時間労働についての是正勧告を受けていた。今月14日には、違法な長時間労働が常態化していた疑いがあるとして、東京労働局などが電通本社に立ち入り調査に入った。厚労省は労働局の調査結果などを踏まえ、電通の「くるみん」認定取り消しを検討する。
塩崎氏は「(「くるみん」の)認定基準についても、より適切なものにしていきたい」と改善する考えを示した。