厚生労働省の専門家委員会は31日、脳死判定後の肝臓移植について、提供者と血液型が同じ待機患者をより優先して選ぶように、あっせん基準を改正することで合意した。他の型の移植を受けられないO型の患者が不利益を被っているとの指摘があり、それを解消する狙い。
現行基準でも血液型の一致は優先項目の一つだが、重症度など他項目の影響が大きい。2011年10月~今年8月の移植事例227件のうち、余命1カ月以内とされた患者の平均待機期間は、すべての型の提供を受けられるAB型の9日に対し、O型は136日かかり10倍以上の開きがあった。
一方、これまでの提供者や現在の待機者の血液型の比率は一般人口のものと大きな違いはなく、基準改正で血液型ごとの不公平さはないとした。