中国科学院南京地質古生物研究所が10日に明らかにしたところによると、同研究所と福建農林大学の古生物学者が最近、遼寧省凌源市でおよそ1億2500万年前の変わった被子植物「凌源変果」の化石を発見した。同じ植物に形態の異なる葉と果実を持つこの興味深い古代植物は、人類が早期被子植物の形態への理解を深めるための扉を開いた。新華社が伝えた。
この研究を担当した同研究所の王◆氏(◆は品の口が金)によると、被子植物は分かりやすく言えば、花が咲き実がなる植物のことだ。植物界で最も進化しており、種類が最も多く、分布が最も幅広い群系だ。世界の被子植物は現在約30万種で、現生植物界の圧倒的多数の種類を占めている。現在の被子植物は、同じ種であれば葉、花、実などの部位の形態がほぼ一致する。凌源変果の特別な点は「変」にある。
今回見つかった凌源変果の化石は縦約17センチメートル、横12センチメートル。茎、葉、蕾、実などを含む植物末端の多くの部位が留められている。形態を見ると、同じ凌源変果からさまざまな形の葉と実ができている。ある葉は細長い葉柄を持つが、葉柄がなく直接枝に生えているものもある。ある果柄は短く太く、多くの実が集まってなっている。ある果柄は細長く、実が1つか2つしかなっていない。
王氏は「こうした異なる特徴を現代植物に置き換えるならば、多くの異なる生物学的分類体系を跨ぐ可能性がある。しかし1億2500万年前には同じ植物に見られた。これは早期被子植物が形態的に、大きな可塑性と不安定性を持っていたことを十分に物語っている」と述べた。
関連研究成果はこのほど、国際的な学術誌「Historical Biology」に掲載された。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年11月12日