スーパーの野菜売り場で1玉350円のキャベツに手を伸ばす主婦。「いつもの2倍以上はすると思う」=10月28日午後、福岡市博多区諸岡3丁目、宮谷由枝撮影
野菜価格の高騰が続いている。台風の接近のほか、9月以降の日照不足や降雨の影響で生育が遅れたためだ。福岡では卸値が平年の3倍近くになった野菜も。農林水産省は今月中旬以降は徐々に落ち着くとみているが、鍋の季節を迎え、消費者や小売業者は悲鳴を上げている。
ハクサイ1玉650円、キャベツ1玉350円、ダイコン1本298円……。10月下旬、福岡市博多区のスーパーでは軒並み野菜が高値になっていた。
主婦の原島勝子さん(65)は「これまでは半分のハクサイを買っていたけど、高いので4分の1にカットしたものにした」。必要なものだけ買うようにして節約しているというが、「なんでこんなに高いのかしらね」と困り顔だ。キャベツを手に取った主婦の佐藤直美さん(36)は「野菜の種類を増やすと高くつくから、この1玉をいろいろな料理に使う工夫をしている」と話した。
このスーパーの青果担当者(40)は「これからが売りどきの鍋の材料の値段が上がっているのが痛い」。価格を抑えるため、カット売りやバラ売りを増やすなど対策はしているが、「時には赤字で売ることもある」と苦い表情だ。
気象庁によると、9月に四つの…