イ・ソンミン投手。NCからktに移った後、ロッテ球団にトレードされた=東亜日報提供
韓国の京畿北部地方警察庁は7日、自軍選手が八百長を行ったことを知りながら、他チームへの移籍を誘導して10億ウォン(約9千万円)をだまし取ったとして、韓国プロ野球NCの関係者2人を詐欺の疑いで検挙したと発表した。
同庁などによれば、NC球団は2014年ごろ、同チームに当時所属していたイ・ソンミン投手(26)ら2選手が八百長行為を働いたことを知った。
球団イメージの悪化を恐れたNCは、新興球団ktへの選手分配ドラフトでイ投手の放出を画策。「有望な選手だが、コーチ陣と仲が悪い」などの理由で、イ選手をプロテクトしなかった。イ選手はktに指名され、NCは10億ウォンの補償金を受け取ったという。
NCは自軍選手の八百長行為について韓国プロ野球委員会(KBO)にも報告しなかった。
同庁は、詐欺の疑いで検挙された2人とは別に、八百長に関わったとして、イ投手やKIAのユ・チャンシク投手(24)ら韓国プロ野球の現役・OB投手7人を含む計19人を、国民体育振興法違反の疑いで検挙した。
今回の事件では、「1回で四球1回」「1回で1失点」など、集団競技の野球でも仕掛けやすい八百長が多用された。イ、ユ両投手は、八百長行為の対価としてそれぞれ300万ウォンなどを受け取っていた疑いが持たれている。
NC球団と韓国プロ野球選手会は7日、それぞれファンを失望させたことなどについて謝罪するコメントを発表した。(ソウル=牧野愛博)