安倍晋三首相は、2017年春闘での賃上げを、16日の「働き方改革実現会議」で経営側に求める。政府主導の「官製春闘」は4年連続。継続した賃上げで経済の好循環を生み出すため、前年並み以上の水準を求める。余力の乏しい中小企業への法人減税の拡充による支援も検討する。
賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げ率は、3年連続で2%を超えたが、16年春闘では伸び悩み、「アベノミクス」の減速も指摘された。政府関係者によると、政府は引き続き賃上げで消費を促し、経済の好循環を図る必要があると判断した。
ただ、これまでのベアは大企業が中心で、中小企業のなかには新興国経済の減速や円高で賃上げの余力に乏しい企業も多く、中小企業の賃上げ率は1%余り。政府は「中小企業で賃金が上がらないと、アベノミクスは機能しない」(内閣府幹部)と危機感を強めた。
新たに検討している中小企業の…