三重県鈴鹿市の市教育委員会が野菜の高騰を理由に、いったんは2日間の給食中止を決め、その後撤回した問題で、末松則子市長は15日、1日分は通常の給食を出し、1日分は災害を想定した炊き出し訓練を行うことで、計2日分の食事を提供する方針を市議会に明らかにした。
給食中止を一転撤回 三重・鈴鹿市長「相談なかった」
末松市長は市議会全員協議会に出席。「保護者や議員のみなさまにご心配をおかけして申し訳ない」と述べた後、頭を下げて謝罪した。市議からは「天候不順による食材の高騰はいつでも起きうる。普段から備えができていなかったことが問題」「給食をやめるのは簡単。誰のための給食か、食育の大切さを認識すべきだ」という声が出た。
市教委は10月25日、市立30小学校と13幼稚園に対し、2学期最後の12月20日と3学期最初の来年1月12日に給食を中止すると通知した。野菜や肉を独自に調達している19小学校と給食センターの赤字が膨らんだことを理由としたが、末松市長が「拙速だ」などと批判し、今月7日に中止の撤回を指示した。(吉野慶祐)