「起業家育成プログラム」と称して実態の異なるセミナーに勧誘したとして、福岡県警は14日、福岡市中央区のセミナー企画会社「primo(プリモ)」経営者の久保亮倫(あきのり)容疑者(32)=大阪府八尾市=ら男女5人を特定商取引法違反(事実の不告知など)の疑いで逮捕し、発表した。5人の認否は明らかにしていない。同社も書類送検する方針。
他に逮捕されたのは、同社役員の早川智章(24)=広島市中区=、別の会社役員の稲栄祥訓(いなえしょうくん、24)=大阪市西区=と吉川将史(25)=福岡市東区=、自営業の江俣芙由華(ふゆか、24)=同市中央区=の4容疑者。
県警はプリモがセミナーの受講料として2014年以降、福岡県を中心に327人と契約し、計約2億1600万円を集めたとみている。実際は同社のマルチ商法の勧誘方法を教えるものだったとして、詐欺容疑でも調べる。
生活保安課によると、5人は昨年4~11月、福岡県内の女性(23)ら2人に対し、同社の訪問販売員として育てるという実際の狙いを伝えず、起業のスキルを教えるなどとかたって100万~130万円で契約を結ぶなどした疑いがある。
プリモをめぐっては、高額の受講料をだまし取られたとして福岡県内の学生ら6人が損害賠償を求め提訴。福岡地裁は今年9月、計約730万円の賠償を命じた。(井上怜)