初土俵を踏んだ今年初場所で、健闘をたたえあった納谷(左)と豊昇龍
大相撲夏場所(東京・国技館)11日目の23日、春場所の序ノ口デビューから負けなしだった東序二段の納谷=本名・納谷幸之介、東京都出身、大嶽部屋=に土がついた。大鵬の孫として注目される18歳の連勝は12で止まった。
相撲特集:どすこいタイムズ
6番相撲となった佐藤山(八角部屋)戦。立ち合いから強烈な押しで攻め込んだが、土俵際で詰め切れず、体を入れ替えられて逆転負け。初黒星の心境を問われ、「ちょっとよく分からないです。悔しいのかなと思うけど、気持ちがよく分からない」と、ぼうぜんとした表情を見せた。
今場所、気持ちの乗りが良くないと自覚していた。連勝を重ねても首をかしげ、質問への受け答えも上の空。この日、「悔しがれるくらいの良い相撲を取れていない。力が出きらない感じがずっとあった」と言った。
楽しみにしていた取組も消えた。同期入門で互いにライバル視している元横綱・朝青龍のおい、豊昇龍(18)=モンゴル出身、立浪部屋=との一番だ。納谷の一番の前に序二段で6連勝とした豊昇龍は「待っています」と言っていた。納谷も6連勝なら、7番相撲で両者の対決が組まれる可能性があった。
互いに序ノ口だった先場所に勝利している納谷は、「まだこれから先があるので。今回は縁がなかったということで……」。最後まで、表情がさえなかった。
ちなみに、昭和の大横綱大鵬は、序ノ口デビューから2戦目で初黒星を喫している。当時のしこ名は「納谷」だった。