2020年東京五輪・パラリンピックのチケットを買った人が行けなくなった場合、定価で希望者に譲れる仕組みを大会組織委員会がつくることが16日分かった。不当な買い占めによる高額転売や、完売なのに空席が出るのを防ぐ狙い。公式サイトに、チケット保有者がクリックすれば希望者に転売できる「リセール(再販売)」のボタンを設ける方向だ。チケット発売は18年夏の予定。
リオデジャネイロ五輪では国際オリンピック委員会(IOC)の理事ら10人がダフ屋行為などの罪でブラジル検察に起訴された。チケットは660万枚の9割以上が売れたのに、空席が目立つ会場もあった。
公式サイトの転売機能はロンドンやリオ大会でもあった。しかし、東京の組織委は「保有者と観戦希望者のよりタイムリーで丁寧なコミュニケーションが必要」として、過去の大会にない独自の工夫も模索する。
興行チケットの高額転売は、ミュージシャン116組が連名で反対する意見広告を9月に出すなど、国内でも社会問題化している。組織委の担当者は「IOCからも対策を求められている重要な問題。音楽業界の方とも意見交換して、しっかり対応したい」と話している。(原田亜紀夫)