COP22で文書案の採択を祝う参加者ら=18日、モロッコのマラケシュ、小堀龍之撮影
モロッコで開かれていた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)が19日、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に実効性を持たせる詳細ルールを2018年までに決めることで合意し、閉幕した。トランプ次期米大統領が協定から離脱する意向を示していることを受け、各国が協調して米国の離脱を食い止め、協定の枠組みを維持することを確認した。
18日の全体会合では、来年ドイツのボンで開催予定のCOP23で議長を務める、フィジーのバイニマラマ首相が「トランプ氏は態度を改め、指導力を発揮してほしい。フィジーに来て海面上昇などの温暖化の脅威をその目で見てほしい」と訴えた。
協定合意から1年足らずでスピード発効し、祝賀ムードで7日に始まった会議は、トランプ氏の当選で一変した。仕組み上4年間は協定から離脱できない。だが、温室効果ガス排出世界2位の米国が温暖化対策から手を引けば、すべての国が参加して産業革命前からの平均気温上昇を2度より低く抑えるという協定の意義が損なわれるからだ。
15日の協定締約国による閣僚級会合などでは、結束を呼びかける声が相次いだ。オランド仏大統領は「米国は約束を尊重すべきだ」、欧州連合(EU)のカニェテ委員は「国際社会はパリ協定を守らなければならない」などと述べた。
16日の主要国の閣僚らが参加したフォーラムでは、日本やEU加盟国、中国やインドなどが協力して、トランプ米次期政権を協定の枠組みに引き留める方針で一致。17日には「温暖化対策はすべての国の責務」とする行動宣言を参加国が共同で発表した。
世界資源研究所(WRI)のデ…