学校法人高山短期大学(岐阜県高山市)が、理事長の中村実氏の次男で前常務理事の男性(45)に、今年10月まで7年にわたって約3176万円の給与を不適切に支払っていたことが24日、明らかになり、短大が記者会見して経緯を説明した。ずっと欠勤していたにもかかわらず、少ない年でも年間420万円を支払っていたという。
記者会見した野尻嘉朗事務局長によると、男性は2009年4月に常務理事と事務局長に就任したが、同年9月から欠勤。事務局長職は10年に辞任したが、短大は勤務実態のないまま常務理事としての給与を支払い続けていた。野尻事務局長は「支払いは理事長の判断で、不適切だった」としている。男性は今年10月末に辞任し、中村理事長も24日朝、教職員に陳謝したという。
高山短大は国や岐阜県、高山市から年間約9千万円の補助金を受けている。21日に一連の経緯を文部科学省に報告し、弁護士などの第三者委員会を通じて詳細を明らかにするよう指示を受けたという。早ければ今月中にも委員会を設ける方針。
高山短大は同市内で高山自動車短大と付属幼稚園を運営。1961年にできた自動車高等整備学校を前身とする短大は「自動車工学科」で自動車整備士の資格を取ることができる。