故武満徹さん=1989年撮影
現代音楽の巨匠として世界的に知られていたけれど、自分たちの町ではごく気さくで、祭りを愉快そうに楽しむ人だった――。故武満徹(たけみつとおる)さん(1930~96)と生前に親交があった岐阜県飛騨市古川町の音楽愛好家たちが今月、没後20年を記念して武満さんをしのぶコンサートを催す。
コンサートは15日と26日に、いずれも市文化交流センターで。15日にはバリトン歌手の砂田直規さんが、武満作品の中から60年代の映画「不良少年」の劇中歌として歌われた「○と△の歌」などを、26日にはソプラノ歌手の北平知亜季(きたひらちあき)さんが、ラジオドラマの主題歌だった叙情的な調べの「小さな空」などを歌う。2人とも飛騨地方出身。北平さんは古川での武満さんの定宿(じょうやど)だった老舗(しにせ)旅館に生まれた。
いずれも合唱曲集『SONGS』の歌詞入りの曲を選んだ。武満作品は難解と評されることが多いが、その狙いは? 主催する飛騨古川音楽文化協会の都竹淳巳(つづくあつみ)さん(78)は「独特の和音の響きなど武満さんの音楽の魅力は多いけれど、SONGSの曲はなじみやすいし、武満さんの人間味をよく分かってもらえると思いました」と話す。
89年に合併前の旧古川町が設…