2020年東京五輪・パラリンピックの会場計画見直しで、ボート・カヌー会場は、東京都湾岸部に新設する「海の森水上競技場」が有力となっていることが、関係者への取材でわかった。宮城県の「長沼ボート場」の案は厳しい情勢になった。水泳会場は、当初の2万席の観客席を大会後に規模縮小工事(減築)をする案から、1万5千席で減築しない案で決まる見通しだ。
「海の森」建設中止なら100億円の支出 東京都が試算
「海の森」工事、都が中断 五輪会場見直し決着まで
見直しの対象は、東京都が大規模施設をつくる計画の「ボート・カヌー」「バレーボール」「水泳」の3競技会場。小池百合子知事が、国際オリンピック委員会(IOC)や国、大会組織委員会を交えた4者協議に複数案を示していた。29日にも開かれるトップ会談で決まる。
ボート・カヌーは、「海の森」の①費用削減案②仮設にする案③「長沼」案の計3案を提示。小池氏は「長沼」に前向きだったが、競技団体などが「海の森」を支持していた。都は結論が出るまで工事を中断している。会場変更で建設を中止した場合、損害賠償などに約100億円の支出が見込まれるとの試算も明らかにしている。