50周年を記念した今年の10月31日号。アグネス・ラムが表紙を飾った
若い男性の熱い欲望を照らし出す「週刊プレイボーイ」(集英社)が創刊から50年を迎えた。豊富な撮り下ろしグラビアや、厳しくも愛情あふれる「人生相談」は健在。そんな歴史を詰め込んだムック「熱狂」が10月に刊行された。雑誌の休刊が相次ぐ時代、「週プレ」の魅力とは――。
週プレは、「仕事にも遊びにも積極的でスマートな『プレイボーイ』を目指し、新時代の教養を若者たちに伝授しよう」(編集部)と、1966年10月に創刊された。
時代はまさに高度経済成長のただ中。64年には観光目的の海外渡航が制限つきで自由化され、東京五輪も開催。創刊の4カ月前にはビートルズが初来日するなど、若者の憧れは海外に向いていた。
目玉のグラビアには外国人モデルが採用されていたが、篠山紀信や立木義浩といった写真家の登場で路線が大きく転換。68年ごろから、日本人モデルを起用したオリジナルの撮り下ろしが主流となっていく。
旬の女優やアイドルばかりでなく、「小泉今日子、全裸以上。」と題された小泉のX線写真や、旧ライブドアの粉飾決算事件で実刑が確定した堀江貴文氏の収監直前と仮釈放後など、グラビアの独自性でも話題をさらった。
記事では、海外旅行ブームに乗って海外の話題やニュースが盛んに掲載されたほか、作家の三島由紀夫も再三登場。「本家 三島由紀夫氏が男性ヌード美学を実証」として自身のヌード写真を掲載(68年)したり、割腹自殺を遂げた際に緊急追悼特集(70年)を組んだり。昨年も「三島由紀夫はなぜ今も『インテリヤンキーの神様』なのか」と題して特集した。ミュージシャンの矢沢永吉の登場も32回に上る。
ビッグ対談も次々実現。「ボブ・マーレイVS.中上健次」(80年)、「勝新太郎VS.スティービー・ワンダー」(81年)、「山下達郎VS.志村けん」(83年)、「ミック・ジャガーVS.内田裕也」(92年)、「倉本聰VS.長渕剛」(2010年)など、異色な組み合わせでも読者をひきつけた。
一方、近年は肉食系だったプレイボーイ像にも変化の兆しがある。「オタク」や「草食系」を応援しようと、「『草食男子』誕生から10年。名づけ親が語る本来の意味と真実」などの特集も登場した。(塩原賢)