ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は2日、ドイツのクリンゲンタールで個人第3戦(HS140メートル、K点125メートル)の予選が行われ、124・5メートルを飛んだ伊東大貴(雪印メグミルク)が日本勢で最高の22位で4日の本戦に進んだ。
作山憲斗(北野建設)は29位、葛西紀明(土屋ホーム)は32位、竹内択(北野建設)は38位で通過したが、小林陵侑(土屋ホーム)は41位で敗退。3日は団体戦が行われる。
■伊藤大貴「新鮮な気持ちで」
伊藤は1回目に94・5メートルを飛んで2位につけると、「タイミングを外して失敗だった」という2回目でも92・5メートルまで伸ばした。2回とも高梨に次ぐ飛距離で、危なげなく順位を守った。
2位は5度目だが、開幕戦で表彰台に立ったのは初めて。「新鮮な気持ちもあるし、いいスタートが切れた」。その一方で「まだ1試合目。これを維持できなきゃいけない」と、気を引き締めることも忘れなかった。
着地がうまく、飛型点でも安定して高得点を稼ぐ伊藤だが、W杯初優勝まであと一歩が続く。高梨との差については「まだまだ近くはない」と言いながらも、「納得できる2本がそろえられれば」。もう一つ上に行く手応えは得ている。
■葛西弱気、重心に四苦八苦
122メートルと飛距離が出なかった葛西。助走で重心がうまく定まらないようで、「早くポジションを見つけていいジャンプがしたいという、もどかしさがある」と不満を漏らした。
44歳になってもトップを目指す意欲は衰えないが、第2戦まで18位、24位と本来の姿は見せていない。「今のジャンプではトップ10に入れないかな」と、少し弱気になっていた。(時事)