売れ筋ランキング
師走は、家庭用プリンターが年賀状印刷などで活躍する時季です。印刷が手軽に楽しめるよう、各社が機能を充実させています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
家庭用で一般的なA4インクジェットプリンターは、11月中旬からの約1カ月が1年で最も売れる時季だという。ビックカメラなんば店(大阪市中央区)の西治彦さんは「年賀状印刷のために買う人が多い。いざ印刷しようとしたら、壊れていたから買うという声もある」と話す。
メーカー各社は盛んに、印刷の速さや画質の良さを競っているが、この数年で新たな流れがいくつかあるという。
一つは「無線化」だ。家庭内で無線通信機器を使う人が増えたことに対応した。プリンター側にも無線機器が入り、パソコンにつながなくても、スマートフォンやタブレット端末から指示し、印刷できる機能がほぼ標準装備になった。
二つ目は「デザイン家電化」だ。無線化で配線の煩わしさがなくなり、パソコンのそばでなくても好きな所に置けるようになった。本体の色が、冷蔵庫や炊飯器などでも使われるような赤色や茶色だったり、丸みを帯びた形になったりと、インテリアとの調和も売りになっている。
さらに、「液晶タッチパネル」もポイントだ。パネルは5インチ前後と大きくなりつつある。普段、スマホを扱うのに慣れた人たちもスムーズに操作できる。
選ぶ時のポイントは、「まず何の印刷に使うのかはっきりさせること」(西さん)。写真印刷の仕上がりにこだわるなら6色のインクが使え、色の再現力が高い機種がお勧めだ。逆に、白黒の文章の印刷やコピーなどが中心なら、本体価格を抑えたモデルでも十分だという。(伊沢友之)
■小ぶり 白・黒・赤・茶4色
キヤノンが9月下旬に売り出した「ピクサス TS8030」は、基板や電源、用紙を送る仕組みを改良して、前年発売のモデルより設置面積を約25%小さくした。白、黒、赤、茶色の4色をそろえ、部屋のインテリアに合わせて選びやすくしている。3万24円。
■鮮やかな緑、風景美しく
セイコーエプソンが10月に売り出した「カラリオ EP―879A」は、緑色の再現がより鮮やかになる6色の染料インクを搭載し、風景写真などをきれいに印刷できる。稼働音も見直し、給紙の準備動作の音を39%、クリーニング時のインク吸引の音を33%小さくした。2万7540円。
■印刷コスト、半分に
ブラザー工業が8月上旬に出した「プリビオ DCP―J983N」は、大容量のインクカートリッジを搭載。A4カラー文書の印刷コストが税別、約4.6円と2015年モデルと比べ、半分程度になった。メーカー保証期間終了後の2年間で1回使える無償修理サービスもつく。3万5424円。
■両面印刷・コピーも
日本HP(旧ヒューレット・パッカード)の「エンビー4520」は、低価格帯の商品ながら、はがきサイズの自動両面印刷、両面コピーなどの基本機能が充実している。スキャナーカバーと用紙トレーを継ぎ目なく内蔵することなどで、高さが13cmとスリムに仕上げた。8586円。
価格は税込み。11月30日時点のビックカメラの店頭価格。主要各社が勧めるA4インクジェットプリンターから選びました。
(きりとりトレンド)