女子ダブルス準決勝、福島由紀、広田彩花組をフルゲームで破り、決勝へ進出した高橋礼華(中央)、松友美佐紀組=西畑志朗撮影
バドミントンの全日本総合選手権第5日は3日、東京・代々木第2体育館で各種目の準決勝があり、女子ダブルスではリオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華(あやか)、松友美佐紀組(日本ユニシス)がフルゲームを制して2大会連続で決勝に進んだ。女子シングルスのリオ五輪8強、山口茜(再春館製薬所)は2013年大会優勝の三谷美菜津(NTT東日本)をストレートで破って2大会ぶりの決勝進出。男子シングルスでは大学4年生の西本拳太(中大)が初めて決勝に駒を進めた。
■経験の差みせる
女子ダブルスの高橋、松友組は、勝つためのすべを心得ている。
1―1の最終ゲームは16―17に。劣勢の中でも高橋は冷静だった。「相手がガツガツ打ってきているように見えた」。勝ちを意識する相手ペアの攻めが単調になっているのを見逃さない。難しいコースへ打ち返しながら甘い球を待ち構え、高橋のスマッシュや松友のネットプレーで5連続得点を奪って試合を決めた。高橋は「私たちはいろんな経験をしてきている。最後はその差が出たと思う」。
2大会連続5度目の優勝への思いを聞かれても、高橋は素っ気ない。「リオ五輪のときのプレーに戻っていない部分がある。今はタイトルよりも、やりたいプレーを重視して元に戻し、さらにレベルアップさせたい」。世界の頂を知る2人の視線は、もっと先を見据えている。