韓国の与党、セヌリ党で朴槿恵(パククネ)大統領と距離を置く「非朴派」議員らが11日、会合を開き、党執行部の即時辞任を求めることで一致した。会合では、朴氏を支持する「親朴派」議員らの離党を求める声も出たといい、党内抗争の激化は避けられない情勢だ。
非朴派議員らは声明を出し、21日付で辞任を宣言している李貞鉉(イジョンヒョン)党代表らの辞任を要求。「大統領を補佐できず、私党を組み、チェ・スンシル被告の盾となった者たちは自ら去れ」とし、離党を暗に促した。
ただ、声明では「離党」という言葉は使わず、党内で主導権を握り、解党的な出直しを最優先させる考えも示した。セヌリ党所属国会議員は128人。うち80人前後が親朴派とされてきたが、9日の弾劾(だんがい)訴追案の採決で反対票は56票にとどまった。
一方、最大野党の「共に民主党」は11日、セヌリ党、国民の党との院内代表会議を12日に開くよう要請し、合意した。野党側が政府に要求している政府と国会との政策協議会や、来年1月から始めたいとする国会の憲法改正特別委員会などについて協議する見通しだ。
野党側は朴大統領の権限代行者となった黄教安首相に対し、野党が求めている政策を反映するよう要求していく考えだ。(ソウル=牧野愛博)