日銀の12月短観では、海外経済の拡大などで、輸出が多い自動車業界などの業況判断が改善した=6月、福岡県内のトヨタ自動車九州の工場
日本銀行が14日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、代表的な指標の大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス10と、前回9月調査から4ポイント改善した。改善は6四半期(1年半)ぶり。原油価格上昇や海外経済の拡大で、自動車など輸出関連や、石油や非鉄など素材関連の景況感が改善した。大企業・非製造業のDIは前回から横ばいの18。消費不振で小売りなどの景況感が低迷している。
大企業・製造業の業種別は、石油・石炭製品がプラス22と17ポイント改善し、非鉄金属が同20と12ポイント改善した。商品市況の上昇が影響した。米国の景気拡大や中国の景気持ち直しなどで、自動車がプラス10と2ポイント改善。汎用(はんよう)機械が同14と8ポイント、電気機械が同4と9ポイントそれぞれ改善した。日銀は最近の円安の効果について、短観ではあまり出ていないとみている。
大企業・非製造業の業種別は、小売りがプラス3と4ポイントの悪化。対個人サービスは同23、宿泊・飲食サービスは同9で、いずれも3ポイント悪化した。