オリックスの平野 ■スコアの余白 スコアの余白2016 今年の流行語大賞になった「神ってる」。2試合連続サヨナラ本塁打の広島・鈴木と、それを褒めた緒方監督が生み出した言葉だが、もう一人の生みの親ともいえるのが、オリックスの抑え・平野だ。9日に神戸市内で契約更改した右腕は、あの一球について、「変化球を考えるきっかけになった」と振り返った。 6月18日、広島との交流戦。2点リードで迎えた九回1死一、三塁だった。平野は、前夜、比嘉からサヨナラ本塁打を放った鈴木を迎えた。決め球のフォークを左中間スタンドに運ばれた。試合後、緒方監督が「今どきの言葉で言うなら、神ってる」と鈴木をたたえた。 オリックスは翌日も4点差を追いつかれ、最後は鈴木に決勝本塁打を浴びて3連敗。この3連戦が広島を勢いづけ、25年ぶりのリーグ制覇に結びついた。一方のオリックスは低迷し、最下位。平野にとってさぞ嫌な思い出になっているかと思いきや、「(2試合連続弾は)比嘉さんからなんで大丈夫です」。 ただ、転機になった一球でもあったという。「それまでもフォークが落ちていないことがあった。打たれて慢心を見つめ直すきっかけになった」。ブルペンで、フォークの落ち具合を念入りに確認するようになった。今季は4勝4敗31セーブだったが、昨季4点台だった防御率は1点台と大幅に改善した。球団からも「チームとしては残念だったけど、よく頑張ってくれた」と高評価をもらい、3億円(金額は推定)で契約を更改した。 来季は3年契約の最終年。「ずっと下位が多かった広島が優勝した。しっかりやれば、僕らもできると思えた」。1996年以来遠ざかっている優勝に向け、32歳は早くも燃えている。(藤田絢子) |
「神ってる」、もう一人の生みの親 オリ平野の思いとは
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