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島根県立大1年の平岡都(みやこ)さん(当時19)の遺体が2009年11月、広島県北広島町の臥竜山(がりゅうざん)で発見された事件で、島根、広島の両県警合同捜査本部は20日、遺体発見の直後に自動車事故で死亡した会社員矢野富栄(よしはる)容疑者(当時33)=島根県益田市=を、殺人と死体損壊、死体遺棄の疑いで容疑者死亡のまま書類送検し、発表した。
遺体付着と同種袋、男の実家周辺で配布 女子大生殺害
合同捜査本部によると、矢野容疑者は09年10月、平岡さんを殺害し、遺体を切断して臥竜山に遺棄した疑いがある。平岡さんの遺体は鋭利な刃物で切られ、殴られたり首を絞められたりした形跡があった。
平岡さんは同年10月26日夜にアルバイト先の島根県浜田市内のショッピングセンターを出てから行方不明になり、11月6日に遺体で発見された。同月30日には平岡さんが住んでいた島根県立大の学生寮から数百メートルの側溝に、平岡さんのものとみられる靴が発見されており、この場所で連れ去られた可能性がある。
矢野容疑者は遺体発見2日後の11月8日に山口県美祢(みね)市の中国自動車道で乗用車を運転中、ガードレールなどに衝突する事故を起こし、同乗していた母親(当時58)とともに死亡した。
合同捜査本部は事件発生当初から平岡さんのアルバイト先のショッピングセンター周辺の不審車両などを捜査してきた。今年に入り、素行に問題のある人物を洗い出す中で矢野容疑者が浮上。矢野容疑者の車が事件当時、臥竜山付近を走行していた記録があったことや、矢野容疑者のデジタルカメラに行方不明後の平岡さんとみられる画像が残っていたことなどから、矢野容疑者が平岡さん殺害に関与したと断定した。