北芝隆晴君の遺影を置き、提訴への思いを語る母の嘉代子さん(中央)=21日午後2時6分、神戸市中央区
兵庫県三木市の市立緑が丘中学で2014年1月、中学1年の北芝隆晴君(当時12)が校舎4階から転落死する事故があり、遺族が21日、適切に教諭が保護していれば防げたとして、市に慰謝料など約8150万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こした。
訴状によると、北芝君は14年1月9日、体育の授業で持久走をして具合が悪くなり、その後、1人で教室にいたところ窓から飛び降りて亡くなった。
市教委の第三者調査委員会は同年6月、転落時の体温を41・1度と推測。転落は「インフルエンザなどウイルス性疾患の脳症状による異常行動」とし、教諭らが行動を予測するのは不可能だったと結論づけた。
これに対し、遺族側は「持久走で発症した熱中症が原因の可能性が高い」と反論。周りにいた生徒の話からゴール後には意識障害を起こしていたと指摘し、「体育教諭らは病院に搬送するなどの注意義務を怠った」と主張している。