「ここさえ乗り切れば、かっこいい人間になれる」 受験生にエールを送るとーやま校長(右)とあしざわ教頭=東京都千代田区、安冨良弘撮影 中高生に人気のラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」(TOKYO FM系)。「ラジオの中の学校」であるこの番組は、「とーやま校長」と「あしざわ教頭」が、若いリスナーたちを「生徒」と位置づけて電話や番組掲示板を通じて交流しています。受験生の応援企画が予定される22日の放送前に、番組の構成作家のひっつさんも交えて受験生へのメッセージを語ってもらいました。 特集:大学入試センター試験 ◇ とーやま校長(校長):電話を通じて、何人もの受験生としゃべっているけど、受験直前の今の時期、自信が100%あるやつは誰一人いない。これは毎年のこと。でも、諦めようとしているやつもいない。何とかもがいて、歯を食いしばって、闘うべき相手と闘っている。そういう状況を聞いています。 あしざわ教頭(教頭):11、12月になると、心理的にも途端に冬がやってくる。受験生と話していると、口から出てくるのは「やばい。E判定が続いている」など、不安な言葉ばかり。永遠に勉強できると思いがちな夏休みで、ちょっと休んじゃったり、勉強のルーティンをこなせなかったりした結果が、不安となって出てくる時期なのかもしれません。 ■「声のトーンが変わる瞬間」がうれしい 校長:目の前の壁が大きすぎて、パワーが無くなっている。そういう受験生に逆電する時は、「どうやったら力を与えられるか」。考えているのはそれだけです。僕は、高校の時にお笑いをやりたいと決めていたから、大学受験はしなかった。だから、「こいつは今どういう思いなんだろう」と自分に置き換えて、悩みを聞いています。 悩みを色々と聞くけど、受験生に関して答えは一つです。願書を出して「受験します」と宣言しているのだから、「がむしゃらにやるしかない」。そう思ってもらえるように、番組では受験生の尻を思いっきりたたいています。 教頭:僕は受験生だった時、親とか先輩に「こうすればいい」と上から言われることが嫌だった。経験談を話されても、自分が経験していないから分からない。だからラジオでは、生徒が納得できるように話しています。 うれしいのは、話をしていて声のトーンが変わった時。それは自分のやりたいこと、自分の考えに気づいた瞬間なんです。自分の中に答えはあるけれど、口に出さなかったりして、明確にできていないことがある。それを、僕らと話すことで、再確認できるんだと思います。これは音があるラジオだからこそ、できることです。 ■本番でわかった努力の成果 教頭:僕は美大を目指して二浪しました。苦しかった。特に二浪した時の12月から試験まで、不安になって負の連鎖に陥っちゃった。予備校に皆勤で出席していたけど、試験の直前はしんどくて2週間ぐらい休んでしまった。 悶々(もんもん)としながら、入試に行きました。美大だから試験問題は、「落花生をモチーフにして、自分の将来を絵で表現しなさい」。考えていたら、試験中に想像がどんどん膨らんできたんです。引き出しが多くなっていた。「毎日やってきたことが無駄じゃなかった」と本番で実感しました。 ひっつ:私は同じ塾に通っていた友達と「大学生になったらやりたいことのリスト」を作りました。勉強に行き詰まったら「新しいメガネを買おう」といった小さな願望から、大きな夢まで、ノートに書いていました。これが受験中の楽しみでした。自分のことを考える時間にもなったので、今でも私の大きな指針になっています。 一緒にリストを作っていた友達とは、塾の帰り道で励まし合って、一生の友達になりました。今、受験勉強をしている仲間がいる人は、大切にしてほしいと思います。 ■格好いいやつになるためにエゴ全開で 教頭:受験は、自分が試されるというか、修行みたいな時期。だから腹をくくらなきゃいけない。不安なことを考えても、不安なことしか起こらない。「俺はだめだ」と思って、2時間寝ちゃったというのは意味がない。楽しい自分の未来のために頑張るしかないんです。 ひっつ:受験はどうやってもエネルギーが切れてしまうことがたくさんある。この番組は、「夜の学校」とも言っています。なにかつらいことがあっても、あの学校にいったら友達と会ってしゃべって笑って、「明日またがんばるぞ」と思ってもらえれば。エネルギーが補充できる場所になればと思っています。 校長:もちろん全員に合格して欲しいけど、そうじゃない場合もある。でも、ここで努力をすることが、その後の人生に生きてくると思うんです。僕が最近気づいたのは、「何があってもこうする、貫く」ということの大切さ。この受験で、目標に向かって最後までやりきれるやつは格好いいやつになれる。それは男女関係ない。そんなやつの周りには、すてきな人が集まってくるはずです。 人生の中で、大きな勝負が2回か3回は待っている。その1回目がたぶん今。だから、格好いいやつになるためにエゴ全開で合格を取りにいけ。受験生のみんなに、そう言いたいです。 ◇ とーやま校長 札幌市出身。2010年4月に2代目校長として番組に着任。不器用でひたむきな性格。お笑いを勉強中。自称は「10代のカリスマ」。 あしざわ教頭 東京都出身。14年10月3代目教頭として着任。美大出身で、ネコをキャラクターにしたイラストが人気。 ひっつ 「SCHOOL OF LOCK!」の構成作家。放送開始当初から番組制作に携わる。番組やHPでは「職員」としてたびたび登場している。大学在学中にラジオの世界に潜り込む。 「SCHOOL OF LOCK!」 TOKYO FMをはじめとするJFN系列38局ネットで月~金曜夜10時から放送されているラジオ番組。「ラジオの中の学校」をコンセプトに2005年10月から始まった。番組掲示板や電話などを通じて中高生らの相談に乗るほか、若者に人気のタレントやミュージシャンが日替わりや週替わりで登場するコーナーがある。(阿部健祐) |
「ラジオの中の学校」受験生に人気 電話や掲示板で交流
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