葉加瀬太郎さん=東京・丸の内、品田裕美撮影
バイオリニストの葉加瀬太郎さんが、被災地の復興を願って弾き続けている器楽曲「ひまわり」を、ふるさとへの思いを込めた歌にしようと、歌詞のアイデアを募っている。締め切りは31日。来年3月29日に福島県郡山市で開かれる「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト」に出演し、初披露する予定だ。
葉加瀬さんは大阪府出身。1995年の阪神大震災は、小学生のときのピアノの恩師らの命を奪った。2011年の東日本大震災は拠点を構えるロンドンで発生を知り、現地でチャリティー活動に奔走した。
おおらかなエネルギーを感じさせる「ひまわり」は、当時放送されていたNHK連続テレビ小説「てっぱん」のテーマ曲。それまで当たり前に流れていた番組は、震災によって1週間中断された。「期せずして特別なものになった曲。東北のため、日本のための応援歌としてコンサートで毎回弾き、ひまわりの種も配っています」と葉加瀬さん。
「あれから5年たったけれど、生まれ育った町に住めなくなった方も多い。失われたものをどう建て直すか、けして簡単なことではないが、同じ国に生きる人間として考え続けていきたい」と語る。
「心にしまっておける、そしていつでも引っぱり出せるのが音楽の良さ。歌にすればより親しみや深さが増し、もっと多くの人と共有できる」と、歌詞アイデアの募集を思い立った。
対象は福島、宮城、岩手の3県出身か在住の小中高校生。「地域の人と一緒に作るのは貴重な体験。ともにくじけず明日に向かって生きていくために、『心のふるさと』を、胸の中の宝箱にしまっておける歌という形にして取り戻そう」と呼びかける。
歌詞、作文など形式は自由。アイデアをもとに作詞家の松井五郎さんが作詞する。住所、氏名、フリガナ、連絡先、年齢、学校名、学年を明記し、〒963・8535 郡山市桑野4の3の6 福島放送「復興支援音楽祭歌詞アイデア募集係」へ。ホームページ(
http://www.kfb.co.jp/fukko/
)からも可。問い合わせは電話024・933・5856(平日午前9時半~午後5時半)。(藤崎昭子)