シリアの首都ダマスカスの警察署で16日に起きた自爆テロ事件で、実行したとされる8歳前後の少女が自爆前にその決意を語る動画が、ネット上に投稿された。父親を名乗る男から「あなたは不信者の前で自爆するんだよね」と聞かれて、少女は「神の意志により、私はやります」と答えている。少女を洗脳して自爆を強制したとみられる。
8歳少女を使った自爆テロ、1人負傷 シリアの警察署
動画は3本あり、1本目(1分8秒)は男が少女とその妹とされる女の子を両側に座らせて「神の元に行くんだね」と問いかけると、少女は「はい知っています」などと答える。2本目(1分43秒)は、少女に別れを告げる母親とされる女が「ジハード(聖戦)はイスラム教徒の義務です」などと話している。3本目(2分22秒)は再び男が出てきて、少女は「アサド政権に木のように焼かれたアレッポの人々のために自爆した」と語っている。
動画について在英NGO「シリア人権監視団」のラミ・アブドゥルラフマン代表は朝日新聞の取材に「男は少女たちの実父ではなく、母親の再婚相手。実父はアサド政権との戦闘で死亡している」と述べた。アラブメディアによると、男は過激派系「ヌスラ戦線」(現在はシリア征服戦線に改称)の元メンバーとみられている。(カイロ=翁長忠雄)