朝日新聞のインタビューに答える九州電力の瓜生道明社長
九州電力の瓜生道明社長は、4月に参入する家庭向けの都市ガス販売で、電気とセット契約での料金を西部ガスの現行料金より5~10%安くする方針を明らかにした。玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働の時期は「夏ごろを狙いたい」という。朝日新聞のインタビューで答えた。
家庭向けの都市ガス販売は4月に自由化される。九電は、西部ガスが都市ガスを供給する福岡市や北九州市など福岡県内の19市町で家庭向けガスの販売を始める。瓜生社長は料金について「5%以上安くないとなかなか切り替えてもらえない」と述べた。
昨年4月の家庭向け電気小売りの自由化では西部ガスを含め参入が相次ぎ、九電から乗り換える利用者が増えている。九電はガス販売を、「(電気の)離脱防止のために使いたい」(瓜生社長)と攻勢をかける考えだ。西部ガスは対抗して1月中に新しいガスの料金プランを発表予定で、追って九電も正式に発表する。競争が激しくなりそうだ。
一方、瓜生社長は玄海原発の再稼働について「(夏ごろを)あくまで希望だが狙いたい」と語った。電気の需要が増える夏場に供給力を増やす狙いもある。ただ、再稼働後の電気料金値下げは慎重姿勢だ。長期の原発停止による財務体質の悪化を挙げ、「玄海原発が動いたからすぐに、というのは難しい」と述べた。(柴田秀並)