第三セクター鉄道網
地方の人々の足として欠かせないローカル鉄道。過疎化や道路整備が進み、経営は厳しさを増している。最近は、巨額の災害復旧費用を捻出できず、廃線を余儀なくされる例も目立つ。30年前の国鉄分割民営化に伴い、地域に委ねられたローカル鉄道網は岐路を迎えている。
初日の出号リアス海岸を行く 三陸鉄道、満員の乗客
東日本大震災から6回目の元旦。岩手県沿岸を走る第三セクター、三陸鉄道の野田玉川駅に特別列車が着いた。乗客と初日の出を拝んだ中村一郎社長(61)は「地域の人たちと三鉄を守る」と心に誓った。
震災で甚大な被害を受けたが、2014年春に全面復旧した。NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台になったことも追い風となり、息を吹き返した。19年春には被災したJR山田線の一部区間も引き継ぎ、総延長163キロ、三セクでは国内最長のローカル鉄道になる。
ただ、経営状況は厳しい。15…