ブラジル・ロライマ州の刑務所近くで6日、受刑者の安否を心配する親族ら=ロイター
ブラジル北部ロライマ州の刑務所で6日、受刑者間の争いをきっかけとした暴動が起き、31人が死亡した。同国では1日にも北部アマゾナス州マナウスの刑務所で暴動が起き、56人が死亡し、100人以上が脱走したばかり。今回は脱走者はいなかったという。
ブラジルの刑務所で暴動、56人死亡 鎮圧まで17時間
地元メディアなどによると、死亡したのは麻薬組織のメンバーらで、多くの遺体が内臓をえぐり出されたり、燃やされたりしていた。マナウスの刑務所の暴動は麻薬組織間の対立抗争だったことから、今回の事件はその報復の可能性があると見られている。暴動は軍警察によって制圧された。
ブラジルの刑務所では昨年、暴動などで372人が死亡したが、今年はすでに93人が死亡。今回の事件が起きた刑務所では、定員750人に対し、1475人が収容されていた。同国では刑務所の過剰収容問題が深刻化。テメル大統領は5カ所の刑務所新設を公約しているが、刑務所の不足解消には程遠い状況だ。(田村剛)