署名を交換し、握手を交わす岸田文雄外相(右)とケネディ駐日米大使=16日午後3時11分、東京都港区、関田航撮影
岸田文雄外相とケネディ駐日米大使は16日、日米地位協定で米側に優先的な裁判権を認めている軍属の範囲を明確化する補足協定に署名した。沖縄県で昨年、元米海兵隊員の軍属が逮捕された殺人・強姦(ごうかん)致死事件(同罪などで起訴)を受けた再発防止策の一環だが、沖縄が求めていた地位協定そのものの改定には踏み込まなかった。
補足協定は、在日米軍基地に日本側の立ち入り調査を認めた一昨年9月の「環境補足協定」に続き2例目で、同日発効した。地位協定では軍属が公務中に事件を起こした場合の第1次裁判権は米国にあるが、軍属の定義があいまいだった。補足協定では「日米合同委員会が作成する種別に従って軍属を認定する」と定めた。
それにより今回軍属と認定されるのは具体的に、米政府予算などで雇用される文民▽米軍が運航する船舶などの文民▽米軍に福利厚生サービスなどを提供する機関の被雇用者▽軍用銀行の被雇用者▽米軍が契約する企業の被雇用者――など計8項目。
米軍が契約する企業の被雇用者については、米軍の任務に不可欠であることや「高等教育などを通じて技能または知識を取得」した人といった適格性基準を新設。認定者の氏名や雇用主などは日本政府に報告するとした。
日本に在留資格を持つ通常の居…