日本文理敗れる――。第100回全国高校野球選手権記念新潟大会(朝日新聞社、県高野連主催)は18日、4回戦8試合があり、ベスト8が出そろった。一昨年秋から県内公式戦無敗で2連覇をめざした日本文理は、新潟に競り負けた。2試合連続タイブレーク試合となった上越総合技術は新潟産大付に敗れた。準々決勝4試合は21日、ハードオフ・エコスタジアム新潟で行われる。
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八回満塁機 強打貫いた強豪
(18日、高校野球新潟大会 新潟5―3日本文理)
過去10年で優勝5回、今回も第1シードの日本文理には信条がある。「打ち勝つ野球」。積極的な鋭いスイングで知られる優勝候補の本命は、8強を逃した試合でもスタイルを貫いた。
1点を追う八回表1死満塁。右打席に入ったのは8番、佐藤旭(3年)。負ければ終わりのトーナメントでは、しばしばスクイズが定石とされる場面。だが、佐藤は初球をたたいた。打球は詰まって投手の正面へ。併殺に倒れ、反撃のチャンスを逃した。鈴木崇監督は「打ってだめだったんだから、仕方ない」と振り返った。
守る新潟は、昨夏の4回戦で0―10の5回コールド負けを喫した相手にも落ち着いていた。救援した投手桐本貫太(3年)は「ピンチの場面で投げることは想定していた」。ベンチの指示は前進守備。外角の直球で投ゴロに仕留めた。狙い通りの併殺打に仲間と抱き合って喜んだ。桐本は「夢みたい」と振り返り、後藤桂太監督は「集中力が炸裂(さくれつ)していた」と涙を流した。
八回の好機は日本文理らしい積極性で作り出したものだった。1死一、二塁の場面で、二塁走者上野孝統(3年)が相手投手を観察し、低めの変化球に合わせて三盗を仕掛けた。その姿を見た一塁走者鈴木裕太(3年)も駆け出し、重盗に成功。好機を広げた。
それだけに鈴木は、「外野フライ1本でも同点になったのに……」と悔しさを隠さなかった。
ともに昨夏の甲子園に出場した鈴木からマウンドを引き継いだ新谷晴(3年)は、感情を押し殺すように言った。「この悔しさを後輩が忘れずに晴らしてほしい」(湯川うらら、川島大樹)