九州電力玄海原発。左は3号機、右は4号機=佐賀県玄海町、朝日新聞社ヘリから
原子力規制委員会は18日、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)が新規制基準を満たすと認める審査書を正式決定し、安全対策の基本方針を許可した。昨秋に許可された関西電力美浜原発3号機(福井県)に続き5カ所目で、九電では川内原発(鹿児島県)に次ぎ2カ所目となる。九電は新基準の対策工事を年度内にも終える予定で、さらに必要な二つの認可と地元の同意が得られ次第、今夏ごろの再稼働を目指す。
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規制委は昨年11月にまとめた審査書案について、一般から意見募集し、寄せられた4200件の指摘を踏まえて文言などを修正した。玄海3号機は、使用済み燃料から取り出したプルトニウムをウランと混ぜたMOX燃料を使うプルサーマル発電を予定している。
今後の焦点は、設備の詳しい設計と、重大事故時の対応などを記す保安規定の認可手続きに移る。審査には数カ月かかる見込み。また、再稼働には地元自治体の同意が前提となるが、佐賀県の山口祥義知事と玄海町の岸本英雄町長は容認する姿勢を見せている。