黒い煙を上げて燃えるコンビナート=22日午後5時55分、和歌山県有田市、朝日新聞社ヘリから、伊藤進之介撮影
22日午後3時50分ごろ、和歌山県有田(ありだ)市初島町浜の東燃ゼネラル石油和歌山工場で火災が発生していると、近隣住民から110番通報があった。同社によると潤滑油の精製装置があるプラント付近が激しく燃え、市は「爆発の可能性がある」として近隣の1281世帯2986人に避難指示を出した。午後10時現在、2カ所の避難所に計257世帯552人が身を寄せた。市消防本部によると23日午前1時現在も燃えている。
同社や市消防によると、出火当時は近くで10人程度が作業していたが、けが人はいない。同工場では18日にも清掃作業中のタンクが燃える火災が起きていた。
同工場は、ガソリンや潤滑油など石油製品の生産拠点。紀伊水道に面し、敷地面積は248万平方メートル(甲子園球場約64個分)。出火したとみられるプラント付近から100~200メートルの距離に原油タンクが並んでいるという。
同工場の周りには住宅や畑が広がる。JR西日本は避難指示区域にある紀勢線初島駅に列車を停車させない措置をとった。
市文化福祉センターに避難した介護職員の中野葉月さん(21)は「自宅は工場の隣。はるか上に炎が上がり、2、3回爆発音がして地震みたいに揺れた」。大学生の山本裕也さん(22)は「2回も火災があって驚いている。自宅に色々なものを置いて来たので心配だ」と語った。