放水活動が続く火災現場=23日午前9時43分、和歌山県有田市初島町浜、金子和史撮影
和歌山県有田市の東燃ゼネラル石油和歌山工場で22日夕方に発生した火災で、有田市は23日午前4時10分、爆発の危険性がなくなったとして、近隣の1281世帯2986人に出していた避難指示を解除した。市消防本部によると、午前9時現在、火の勢いは弱まってきているという。
石油工場で火災 爆発の恐れ、1281世帯に避難指示
同社や県警によると、22日午後3時40分ごろ、工場内の潤滑油の精製装置付近から出火した。プラントへの原料供給を遮断し、装置内に残る可燃性の物質が完全に燃え尽きるのを待っており、消防車両約40台が周辺装置を冷却して延焼を防ぐための放水をしている。
避難指示の解除を受け、工場がある初島地区の住民計約490人は、2カ所の避難所から順次帰宅した。地区内の幼稚園と小中学校は通常通りだが、隣接する港地区の保育所に通う園児97人は23日、別の保育所での合同保育となった。
22日夕から市文化福祉センターに避難していた無職中本久子さん(68)は「支給された毛布を敷いて横になって過ごした。これぐらいでおさまってよかった。少し寝ることはできたけど、火事が気になってほとんど寝ていない人もいた」と話した。親類宅に避難したという高校2年生の久喜麻央さん(17)は「火が上がるのが見えてまずいなと思い急いで荷物をまとめた。朝5時半ごろに戻ってこられた。収まってほっとした」と話した。