米ロサンゼルスの国際空港で2日、一度拒否された米国への入国を果たし親類から祝福されるイラン人のアリ・バイヤガンさん=AFP時事
トランプ米大統領がイランを含む中東・アフリカ7カ国からの入国を一時禁止する大統領令を出したため、入国を拒否され本国に戻されたイラン人男性が2日、米ロサンゼルスの国際空港から米国に入国した。ロサンゼルス市長らが歓迎して出迎えた。
ロサンゼルス・タイムズ紙などによると、男性は、イラン人で米国の永住ビザのあるアリ・バイヤガンさん(61)。1月27日に同空港に到着し、入国しようとしたが拒否された。米国に住む兄弟や息子らと再会する予定だったが、永住ビザを放棄するよう強要されたという。応じなければ二度と米国に入国させないと言われた。その後、ドバイ行きの飛行機に乗せられ、さらにイランに帰された。
しかし、ニューヨーク州の連邦裁判所が翌28日、大統領令の一部執行を停止することを認めたことを受け、今回再び、入国を試み、成功した。同紙によると、大統領令後、入国を拒否された人が改めて入国するのは初めてという。
2日、支援者や家族らに囲まれ、男性は「うれしい。誰も憎んでいない。素晴らしい国だ」。空港で出迎えたガルセッティ・ロサンゼルス市長は「違憲な大統領令のため、家族との再会という日常のことが特別なことになってしまった」と語り、今後も合法的に入国しようとする移民や難民のために闘い続けると表明した。
バイヤガンさんを支援する人権団体「米国自由人権協会(ACLU)」の弁護士は、「同じような扱いを受け苦しんでいる人が国中にいる」とし、有効なビザを持ちながら入国を拒否された人をみな戻すべきだなどと語った。(ロサンゼルス=平山亜理)