薬物依存症から回復後、旅行を楽しむ井上麻希さん=昨年9月、家族提供
大阪市出身の井上麻希(いのうえまき)さん(28)はいま、沖縄県にある依存症回復施設「沖縄GARDEN」で、入所者を支えるスタッフを務めている。回復プログラムを補助し、悩みを聞く日々を送る。自身も、薬物依存症で約4年前まで覚醒剤を打っていた。
人付き合いが苦手だった。
小学5年生のときにクラスでいじめがあり、自分もいじめられないように振る舞っているうち、自然とそうなった。環境を変えたくて進んだ女子中学校では、成績は下から5番以内。部活のチアリーディングも途中でやめた。家では両親のけんかが絶えず、自室にこもった。たばこを吸い始め、髪を茶色に染めた。
男女共学の高校では、入学間もないころからクラスの女子生徒に無視され、「もう学校に来るな」というメールも届いた。学校にも家にも安心できる居場所はなく、摂食障害になった。夏休み前には登校しなくなった。
地元の先輩に「おもしろいもの…