都立西高で開かれた「ディベート交流大会」で戦略を練る西高の生徒たち=杉並区
日比谷高校と並ぶ都立進学校トップの西高(東京都杉並区)。昨年の東大合格者数は32人と、50人を超える日比谷に及ばないが、京大は過去5年間、日比谷より多い10~16人の合格者を出す。その西高が、海外大学への進学を目指してかじを切り始めた。
都立日比谷高「復活か」 東大合格、有名私立に次ぐ実績
1年生約320人のうち60人以上は、半年以上海外生活の経験がある生徒。多い学年では80人を超えるという。出身中学はシンガポール、台北、ブリュッセルなどの日本人学校が並ぶ。
帰国子女枠のような特別な枠はない。「海外の日本人コミュニティーで、東京の公立進学校なら西高という評判があるようで、勉強して受けてきます」と宮本久也校長(59)は話す。
2014年の春休みから、10日間渡米するプログラムを始めた。ハーバード大とマサチューセッツ工科大(MIT)で一線の研究者から講義を受け、研究所を回り、学生や大学院生と交流もする。現地高校で米トップ大学をめざす生徒と一緒に授業をうける。国連本部訪問やニューヨーク在住の卒業生との交流もある。
参加できるのは1、2年生のうち、志望理由、作文、成績などで選抜された40人。参加費は約50万円だが、今年は80人以上が応募した。
昨春からは、参加できなかった生徒のために、ハーバード大など現地の大学院生らを日本に招いて講義をしてもらうプログラムも5日間約5万円で始めた。MIT研究員の講座を開いたり、都教委主催のアメリカやオーストラリアへの留学にも毎年約10人参加したり。2年生は第2外国語としてフランス語、ドイツ語、中国語の選択講座があり、約3分の1の生徒が選択する。昨年からは授業外でスペイン語講座も開く。
こうした取り組みに参加するには、中学までの義務教育の英語だけでは厳しい面もある。英語で討論できるようにする授業もあり、一昨年から、読む、聞く、書く、話すの4技能を問う英語テスト「GTEC for STUDENTS」を、1、2年全員(一昨年は2年生のみ)に始めた。
昨年11月「即興型英語ディベ…