韓国の朴槿恵(パククネ)大統領に対する弾劾(だんがい)審判を行っている憲法裁判所の李貞美(イジョンミ)裁判官(所長権限代行)の殺害をインターネット上で予告した男(25)が25日、警察当局に出頭した。警察当局が脅迫容疑で捜査を始める方針を明らかにしたことから、男は「怖くなった」などと話しているという。
特集:朴槿恵大統領
警察当局によると、男は「朴槿恵大統領を愛する会」のサイトに23日、「李貞美さえ消えれば、弾劾棄却ではないか」「李貞美が判決前に消えなければならない」などと投稿した。警察当局は、実際に殺害の意図があったのかなどを調べるとともに、裁判官の身辺警備を強化している。
憲法裁は27日に最終弁論を行い、李裁判官が任期を迎える3月13日までに朴大統領を罷免(ひめん)するかどうかの決定を出すとみられている。韓国ギャラップが7~9日に実施した世論調査によると、朴大統領の弾劾に賛成が79%、反対が15%だった。
ただ、朴大統領を支持する一部の保守団体は弾劾への反対運動を続けている。25日もソウル中心部で大規模な集会を開き、弾劾棄却を訴えた。(ソウル=東岡徹)