フィリピン・マニラ首都圏で2日未明、煙を上げる複合型リゾートホテル「リゾーツ・ワールド・マニラ」=AP
フィリピンのマニラ首都圏にあるニノイ・アキノ国際空港近くの複合型リゾートホテル「リゾーツ・ワールド・マニラ」で2日午前0時半(日本時間同1時半)ごろ、銃を持った男が発砲、施設の一部に火をつけた。多くの客が逃げ惑う騒ぎになり、ロイター通信によると、少なくとも34人が死亡、54人がけがをした。
デラローサ国家警察長官によると、男は単独犯とみられ、2階にあるカジノの現金代わりに使うチップの保管室内で銃を撃った。現場に残された男のものとみられるバッグから、換金すれば計約2億5千万円になる大量のチップが見つかった。銃の乱射などがなく、デラローサ氏は「テロとは判断できない。強盗としても調べている」と述べた。
警察によると、容疑者の男は、駆けつけた警官隊と撃ち合いになった後、早朝に5階の一室で死亡しているのが見つかった。警察は焼身自殺とみており、身元などを調べている。
死者の大半は火事による窒息死とみられる。けが人の多くは逃げる際に負傷した。地元メディアによると、2、3階の窓から飛び降りて骨折した人もいるという。現地の日本大使館によると、日本人がけがをしたとの情報はないという。
フィリピン南部ミンダナオ島では、過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う武装組織と国軍の戦闘が続いており、ドゥテルテ大統領が先月、南部に戒厳令を出していた。そのため、今回の事件の発生当初はテロとの情報も流れた。(ハノイ=鈴木暁子)