和歌山県田辺市の山中で同市の大工場谷忠善(ばたにただよし)さん(50)の遺体が見つかった事件で、夫と共に死体遺棄容疑で逮捕された、場谷さんの長女の柴田幸江(ゆきえ)容疑者(23)=同県上富田(かみとんだ)町朝来(あっそ)=が「夫が刺し、2人で遺体を捨てた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。場谷さんは昨年12月5日に仕事場に来た後に連絡がとれなくなったとされ、県警は当時の状況を詳しく調べている。
関係者によると、幸江容疑者と夫の大幸(ともゆき)容疑者(31)は昨年8月、上富田町の戸建て住宅を購入し、場谷さんと同年秋から同居を始めた。住宅には1750万円の農協の抵当権が設定されている。知人男性によると、大幸容疑者はローンの返済を場谷さんと折半していたと説明し、「払えるのか」と尋ねると、「1人では無理だ」と話したという。県警は、場谷さんと長女夫婦の間にトラブルがなかったか調べている。
捜査本部によると、長女夫婦は昨年12月5日午後3時ごろ~今年1月10日午前11時、田辺市龍神村柳瀬の県道脇に、ブルーシートに包んだ場谷さんの遺体を遺棄した疑いがある。場谷さんの右肩の後ろ付近には鋭利な刃物で刺されたような傷があり、昨年12月に死亡したとみられている。大幸容疑者の車からは場谷さんの血液が検出されており、「2人で遺棄したことに間違いない」と供述しているという。県警は28日午後、長女夫婦を和歌山地検に送検した。