ボブ・ディランの直筆サインも展示。名古屋市公会堂で公演した際にサインしたものだという=8日、名古屋市昭和区、戸村登撮影
日比谷公会堂(東京都)や大阪市中央公会堂とともに、国内の“三大公会堂”に挙げられる名古屋市公会堂(昭和区)が4月から大規模な改修工事に着手し、約2年間休館することになった。1930(昭和5)年10月に開館し、今年で86年経ち、館内には完成当初の面影も残る。
名古屋市公会堂(地上4階・地下1階)は、ネオ・ルネサンス様式の鉄骨・鉄筋コンクリート造り。昭和天皇の成婚記念事業として市民から寄付を募り、鶴舞(つるま)公園に建設された。スクラッチタイル貼りの落ち着いた外観で、市都市景観重要建築物に指定されている。
第2次世界大戦後、一時、米軍の施設となり、大ホールは映画館、4階ホールは室内競技場として使われた歴史もある。
大ホールの舞台前にあったオーケストラピットなど撤去された設備もあるが、開館当初の面影はまだ残されている。大ホールの背景に設置された湾曲した固定壁もその一つだ。クッペルホリゾントと呼ばれ、国内ではほかに早稲田大学大隈講堂(東京都)にしかない貴重なものだという。
市公会堂ではこれまでに2度、…